ここで紹介している情報はカウンセリング時に使用しているもので、この情報をもとにして、医師とともにベストな方法で問題を解決して下さい。
今日、先進国では不妊症が問題になっています。1980年代では夫婦のおよそ10-15%が不妊カップルであったのが、現在では不本意ながら20%以上の夫婦に子供がないと言われています。
不妊症は避妊をしていない夫婦が結婚1年経過しても、妊娠できない状態のことを言い、これらの夫婦はプロフェッショナルなアドバイスが必要となります。場合によってはより複雑あるいは潜在的な問題がある夫婦もあり、早めの治療が必要となります。
幸運にも、医療の発展によりほとんどの不妊症問題には答えを出すことが可能になりました。時間があればページの最後に紹介しているサイトを参考にして下さい。多くの浅薄で軽薄な情報の中から、信頼かつ推薦できる資料だけを紹介しています。
多くの医者は、不妊症の原因及び治療を包括的にアプローチします。体外受精は絶対的な理由がある場合に限り考えるべきです。 約70%の夫婦は体外受精せずに他の治療で妊娠しています。。
然しながら、体外受精は信頼できるセンターで早めに行うべきで、35歳以上になると体外受精・卵細胞質内精子注入法(顕微授精)の成功率が落ちてきます。(下記参照)
不妊症テスト
最も一般的なテスト:
- 血液検査
- おりもの検査
- 精液検査
- 精液培養
- 超音波検査
- 子宮卵管造影法(HSG)
- 子宮鏡検査
- 腹腔鏡検査
血液検査(血中ホルモン検査)
|
卵胞刺激ホルモン (FSH) - |
- |
月経周期前期(第2-5日目)には、排卵誘発が必要か否か卵の質と数を調べます。 |
|
黄体化ホルモン (LH) |
- |
卵胞刺激ホルモンと同様 |
|
エストラジオール (E2) |
- |
生理の第2-5日目はエストロゲンの数値は低 いが、後に数値は上昇します |
|
プロラクチン |
- |
数値が高い場合は卵子の生産が不足しているか、あるいは卵子の質が悪いと考えられます。 |
|
プロゲステロン |
- |
このホルモンは生理前の一週間にピークになり排卵があったことを示しています。 |
|
甲状腺ホルモン |
- |
甲状腺ホルモンの異常分泌が妊娠を困難にすることもあります。 |
その他の血液検査
|
フルブラッドカウント(血液検査) |
- |
場合によって、女性の健康を調べます。(ヘモグロビン、赤血球、白血球、血小板数などを調べる) |
|
風疹抗体 |
- |
風疹の免疫の有無を調べます。妊娠初期に風疹にかかると胎児に重い障害が出る可能性があります。拠って、妊娠前には注意することが必要です。 |
|
B型肝炎抗体 |
- |
生殖補助医療(Assisted Conception)を計画している場合はこの検査は必要です。 |
|
B型肝炎抗原 |
- |
生殖補助医療(Assisted Conception)を計画している場合はこの検査は必要です。 |
|
エイズウイルス |
- |
生殖補助医療(Assisted Conception)を計画している場合はこの検査は必要です。 |
おりもの検査
病原菌を検出する為、膣の上部のおりものを採取して検査します。 (膣に膣鏡という器具を挿入し、綿棒でおりものを軽くぬぐい採取します。) 軽度な炎症が原因で妊娠を困難にしている事がよくあります。.
細胞診はイースト菌やヒトパピローマウイルスを検出するのに役立ちます。
精液検査
パートナーの男性から採取した精子を検査します。初期の検査が非常に役立ちます。
 |
顕微鏡で見る典型的な精子の様子 |
| |
|
 |
異常な精子(クローズアップ) |
|
精液培養
検出されていない感染体は異常な精子を生産することになり、培養後、感染体が検出されれば治療が必要となります。
超音波検査
膀胱に尿が溜まった状態でお腹の上から超音波診断します。卵巣、子宮、場合によっては卵管の診断が可能です。
不快感はありますが、女性臓器をより詳しく見る為、膣からの超音波診断をします。ほとんどの婦人科の問題はこの方法で診断できます。正常な卵を形成しているかどうかを判断する上で、時には連続的に行う超音波検査が必要です。
子宮卵管造影法 (HSG)
造影剤を注入後、子宮のレントゲンを撮ります。これによって卵管が詰まっているか否かがわかります。下記は卵管が詰まっている正常な子宮の典型的な写真です。
子宮鏡検査
子宮鏡は慎重で且つダイレクトに子宮の中を検査できます。癒着、ポリープ、子宮筋腫などは受精卵が子宮内に着床するのを困難にしていることがあります。これらの問題が発見されれば子宮鏡で治療します。
子宮鏡検査中の写真
 |
子宮鏡検査の正常な様子 |
腹腔鏡検査
腹腔鏡検査はより侵襲的な方法ですが、女性臓器をより詳しく見ることができます。又卵巣、卵管、子宮の詳しい検査も可能です。腹腔鏡検査中に見つ かった問題は同時に治療できます。 腹腔鏡検査は癒着、軽度から中度の子宮内膜症、卵管あるいは子宮の異常、女性臓器の軽度な問題を検査する唯一の方法で す。
腹腔鏡検査の価値に対して疑問を唱える医師がいますが、本人が最終的に判断することがベストです。. 最新のレポートでは:クロミッドを使用し、子宮卵管造影で正常だが妊娠できない患者グループの92人の女性患者が、診断目的の腹腔鏡検査を受けた結果:
- 35%の患者 ― ポジティブ(問題のある)
- 29%の患者―ステージIあるいはIIの内膜症、
- 33%の患者―正常な女性臓器
3分の2の患者が更に検査が必要であったことを証明しました。
不妊症検査の過程で腹腔鏡検査は必要か?
Fertility and Sterility 2003; 80: 1450-3
手術は比較的シンプルですが、すべての手術同様、内臓器官へのダメッジや麻酔の問題など少々のリスクはあります。
- 排卵誘発
- 人工授精
- 体外受精
- 卵細胞質内精子注入法(ICSI)
- 胚凍結
- 顕微鏡下精巣上体精子吸引術(MESA) / 精巣精子採取術(TESA)
- 胞胚培養
排卵誘発
規則的に排卵しない、または無排卵の女性もいます。通常、女性は1ヶ月に1度、月経の真ん中で卵子を生産します。
規則的に卵子を生産できない場合は、卵子を生産する為の誘発剤を使用します。この治療の問題としては、1個以上の卵子を生産することになり、多胎妊娠の可能性があります。メディアは喜んでも、胎児と母体にとっては危険を伴うこともあります。
たまに、 過敏に刺激を 起こすことがあります。 この状態はハイリスクであり、避けるべきです。安全と効果を確実にする為にも、排卵誘発は超音波検査でモニターする必要があります。これで卵胞の数とサイズがチェックできます。
一般に使用される薬はクエン酸クロミフェン (クロミッド), tamoxifen、ヒト閉経期性腺刺激ホルモン(HMG), 純度の卵胞刺激ホルモン (FSH).等です。
クロミッド は最もシンプルで最初の治療で使われます。最初は毎日 50 mgからの用法で生理開始後、第2日目から第6日目の5日間使用します。 医師によっては第五日目から始め、第9日目で終わることもあります。
効果が見られない場合は用量を増やしていきます。ただし、一日150mg以上超えないようにすべきです。
ヒト閉経期性腺刺激ホルモン(HMG)は、更年期の女性の尿から採取したホルモンの組み合わせです。精製されており、卵子を生産させる為に卵巣を刺激します。
純度の 卵胞刺激ホルモン は遺伝子組み換え技術によって造られた最先端技術で最も効果のある高純度のホルモン(FSH)です。特に排卵がたまにしか起こらない多嚢胞性卵巣にとって効果があります。
人工授精
最初に夫から採取した精子をラボにて、最もアクティブな精子のみを収集します。選って採取した精子を子宮頚管を通って子宮腔に導入します。この様にして、卵巣から放出され、卵管を通過した卵子の最も近いところまで精子をもっていきます。
タイミングも大事です。卵子が放出される直前に精子を導入することによって成功率は最大限に発揮されます。卵子が放出されるタイミング(排卵予定日)は超音波検査と尿検査でモニターします。
人工授精では、生理が28日周期の標準女性は、生理開始後の10日目から12日目に超音波検査をします。卵胞のサイズは大体14mm程度です。排卵直前は標準18-20mmまで成熟し、排卵過程に入ります。
卵胞が14mm以上に達した時点で毎日1回尿検査を行います。(あるいは1日2回―より正確な排卵日を把握する為)尿中にLH(黄体化ホルモン)が検出されると排卵は24時間から36時間内に起こります。

| 標準周期 |
| • |
28日周期 |
| • |
排卵は一般に14日目(前後1日)にあります。 |
| • |
排卵前の卵胞のサイズは18-20mmです。 |
| • |
子宮内膜は8-10mmに達します。 |
| • |
頭脳が黄体化ホルモンを放出する指令をし、成熟するプロセスに入ります。約36-40時間内に排卵が起こります。黄体化ホルモン(LH)は放出直後に血液中に検出されます。数時間後には尿中にも検出されます。 |
| • |
排卵後、卵胞の膜が変化し黄体を形成します。 |
| • |
排卵後、子宮内膜の状態が変化し、内膜に着床しようとする胚芽に栄養を与え始めます。 |
|
| |
|
|
| 自然周期 |
- |
上記は通常一個の卵子を生産する時の自然周期を説明しているものです。. http://www.asrm.org/Patients/faqs.html |
| |
|
|
| 誘発周期 |
- |
良い結果を得る為、生理周期に卵巣を誘発し1個以上の卵子を生産させる必要がある場合もあります。クエン酸クロミフェン(クロミッド)錠剤、HMGの卵胞刺激ホルモン(FSH)の注射、あるいは精製された型(ピュレゴン、ゴナールエフ)で卵巣を刺激させます。これらは一個以上の卵子を生産しがちで過剰な誘発を避けるためにも慎重にモニターしていく必要があります。女性にとっても苦痛と危険を伴い、又多胎妊娠の可能性も出てきます。 |
|